今回は、Jabra Elite 85tを使い始めて1ヶ月ほど経ったので、これまで使っていたSONY WF-1000XM3と比較して良いところと気になるところを紹介し、どういう人におすすめできるかを解説します。
今ではどちらも同じくらいの価格感で購入できるノイキャン・外音取り込み機能付き完全ワイヤレスイヤホンなので、それぞれの機能性や音質を踏まえて解説しますので、どちらを購入しようか迷っている方の参考になれば幸いです。
購入後のレビューはそれぞれ以下になりますので、合わせて検討材料になれば嬉しいです。
Jabraさんの新しいモデルElite 3もレビュー記事を追加しましたので、ご参考ください。
目次
Jabra Elite 85tの良いところ・気になるところ
まずは、Jabra Elite 85tをSONY WF-1000XM3と比較して良いところと気になるところについて解説します。
Jabra Elite 85tの良いところ
Elite 85tの良いところは以下になります。
- ノイキャン・外音取り込みの質が良い
- モーメント機能が使いやすい
- マルチポイント機能が便利
順番に解説していきます。
ノイキャン・外音取り込みの質が良い
WF-1000XM3と比較するとノイキャンの効果がかなり高いです。
最近近所で建築工事をやっているのですが、ノイキャンを最大にしていると工事の音がほとんど気にならないレベルまで抑えられています。
さらに、外音取り込み機能の違和感がほとんどなく、とても自然に聞こえます。
WF-1000XM3だと外音取り込みをオンにしていると常に「サー」というホワイトノイズが聞こえていたり、反響音のようなものが聞こえるのですが、Elite 85tはホワイトノイズもほぼ無音で全然気になりません。
イヤホンをつけたまま自然に会話もできますので、一度付けるとお昼ごはんまで外さないという日も多いです。それくらい自然にノイキャンと外音取り込みをしてくれます。
モーメント機能が使いやすい
Elite 85tの解説でも書きましたが、モーメント機能(モード的なもの)がかなり便利ですね。
- 自宅で作業する時
- 移動する時
- その他
でノイキャンと外音取り込みの強さを保存しておくことができ、スマホの通知領域から1タップでモーメントの切り替えができるので、通勤・通学でも使いやすいです。
特に、外音取り込み機能は外を歩くときに風が吹いていると風切り音が出て不快になりやすいのですが、ノイキャンや外音取り込みのレベルを真ん中くらいに設定することで対策できます。
家に居るときは「自宅で作業する時」用のモーメントでガッツリとノイキャンを効かせて集中し外音取り込みもガッツリにして会話をしやすくしつつ、外を出歩くときは「移動する時」用のモーメントに切り替えて出歩く、ととても便利に使えます。
マルチポイント機能が便利
Elite 85tは執筆時点で完全ワイヤレスでは唯一?のマルチポイント対応です。
スマホとPC両方に接続しっぱなしにできるので、PCでYouTubeを流しながら作業しつつスマホに電話がかかってきても付けているイヤホンそのままで電話に出られます。
また、解説記事では書けていなかったのですが、Bluetooth接続の安定性も高く家の中ではあるもののドアを3枚またいでいても普通に安定して音楽を聴くことができていました。(もちろん環境に依存するとは思いますが)
Jabra Elite 85tの気になるところ
次にElite 85tのWF-1000XM3と比較したときに気になるところを紹介します。
- 風切り音低減調整がちょっと難しい
- 音質がめちゃくちゃ良いわけではない
- イヤーピースの交換がしづらい
順番に解説していきます。
風切り音低減調整がちょっと難しい
完全ワイヤレスイヤホンのノイキャンや特に外音取り込みをオンにした状態で、風がそこそこ吹いている日に外を歩いていると「ボボボボッ」という風切り音がなります。
WF-1000XM3には外音取り込みの設定を最小にすると「風切り音低減」というモードに切り替わり、ノイキャンと外音取り込みの間のような状態になって風切り音がほぼ無くなります。(体感では全く無し)
Elite 85tにはこの設定がなく、ノイキャンや外音取り込みの設定を「だいたい真ん中くらい」に設定して、風切り音を抑えられるように設定しますが、ほぼ無しにするのが微妙に難しい印象です。
なので、風が強い日はノイキャンと外音取り込みをいっそのことオフにしてしまう方が良いかもしれません。
音質がめちゃくちゃ良いわけではない
Elite 85t単体で聴いている分には十分に音質が良くて気になりませんが、他の高音質なイヤホンと聴き比べると少し気になるところが出てきてしまいます。
あくまでWF-1000XM3と比較してになりますが比べるとやはり音質は負けているように感じていて、WF-1000XM3に付け替えると「あーやっぱり音良いな」と毎回思うくらいには音質が違います。
Elite 85tで音楽や動画を見ていると、どうしても少し音の明瞭感がぼやけている感じが否めません。
SONYさんのDSEE HXは流石と言わざるを得ませんね😎
イヤーピースの交換がしづらい
純正のイヤーピースを使っていると問題ないところですが、自分の場合イヤホンをずっと付けていると耳がかゆくなったり痛くなりやすい体質なので、イヤーピースを替えるようになりました。
Elite 85tはイヤーピースを付けるところがかなり楕円形になっているのですが、完全ワイヤレスイヤホン対応のものであれば一応取り付けることができるものがあります。
ただ、初めて交換するときは「イヤーピース千切れるんじゃね?」くらい力かけないとうまく付けられなかったので、けっこう頻繁にイヤーピースを交換して楽しみたい方は要注意です。
おそらく各イヤーピースメーカーも対応していると明記していないと思うので、完全に自己責任でお願いしたいのですが以下のものは一応取り付けできました。
余談ですが、「AZLA SednaEarfit XELASTEC」はイヤーピースが長すぎてほとんど耳にフィットしなかったので全くおすすめできません。おそらくですが、Air Pods Pro用のXELASTECをアダプターを使わずに付けないとフィットしないかと思います。
SONY WF-1000XM3の良いところと気になるところ
今度は、SONY WF-1000XM3をJabra Elite 85tと比べて良いところと気になるところについて解説します。
SONY WF-1000XM3の良いところ
まずはWF-1000XM3の良いところですが、以下になります。
- 音質がめちゃくちゃ良い
- 遅延が少ない
- タッチ操作
順番に解説します。
音質がめちゃくちゃ良い
WF-1000XM3には、DSEE HXという音質を向上させる機能があるのですが、この機能で音質がめちゃくちゃ良くなります。
音楽を聴いていても動画を見ていても、それぞれの音の粒立ちがはっきりしていて「完全ワイヤレスでもこれだけ良い音出るんだな」とめちゃくちゃ感動しました。
遅延が少ない
Elite 85tと比較するとBluetooth特有の遅延は少ないように感じました。
WF-1000XM3は音の遅延を少なくするために、イヤホンが左右それぞれスマホやPCと直接無線接続される方式を採用しているそうで、高音質なのに遅延は少ない印象です。
他のゲームモードを搭載しているような完全ワイヤレスイヤホンと比べると流石にそこまで早くはないと思いますが、音楽や映画を観たりする分には十分遅延が少ないと言えます。
タッチ操作
WF-1000XM3は曲送りや曲戻し、ノイキャンの切り替え操作をイヤホン本体のタッチ操作で行います。
Elite 85tはイヤホンの表?面が物理ボタンになっていて押し込む操作になるため、人によっては操作をするたびに耳にグッと押し込まれる感触がイヤだという方も居るかと思います。
自分が不器用でタッチを誤操作しやすいため物理ボタンの方が好みではありますが、イヤホン本体のボタン操作から発生する音や感触が苦手というのもすごくよくわかります。
タッチ操作の方が好みだとよりピッタリな印象です。
SONY WF-1000XM3の気になるところ
次にWF-1000XM3のElite 85tと比較したときに気になるところは以下になります。
- 比較するとノイキャンが物足りない
- 外音取り込み設定が1つしか保存できない
- 少し耳が痛くなりやすい
順番に解説します。
比較するとノイキャンが物足りない
Elite 85tはノイキャンと外音取り込みがめちゃくちゃ優秀なため、比較すると少し物足りない印象です。
WF-1000XM3だけを使っているときはそこまで気になりませんでしたが、比較するとノイキャンでも洗濯機の乾燥機の音が少し聞こえてしまう、外音取り込みは少し反響音を感じる印象です。
純正イヤーピースだったときはより差を感じてしまいましたが、イヤーピースをfinal E TypeやSednaEarFit Light Shortなどに変更してフィット感を高めると少しノイキャンや外音取り込みの機能が上がったように感じますので、一度試してみる価値はあるかもしれません。
WF-1000XM3は音質がめちゃくちゃ良いので、ノイキャンや外音取り込みをあくまで「音楽を聴くことを集中するサポートをしてくれる機能」と割り切れば十分な性能でもあります。
外音取り込み設定が1つしか保存できない
外音取り込みの設定を「風ノイズ低減」から「レベル20」まで設定できますが、設定が1つしか保存できないのが辛いところです。(ノイキャンのかかり具合については調整できません。)
というのも、外を徒歩で歩いていてもノイズキャンがオンになっていたり、外音取り込みレベルが20だとかなりの風ノイズが入ります。
そのため、外音取り込み設定の中に「風ノイズ低減」という設定があるのですが、いざコンビニなどのレジで会話しようとするときはアプリの外音取り込み設定のスライダーでレベル20に設定しないと声が聞き取りづらいという状況になるんですね。。。
このアプリを開いて都度設定するのが、正直めんどうに感じます。
理想は、ノイズキャンセリングのかかり具合が設定できて風ノイズが入らない状態にして、外音取り込みはレベル20で保存しておいて、ノイキャンから外音取り込みに切り替えるだけでレジで会話できるとなるとベストかなと思いました。(アプリやファームウェアのアップデートに期待ですね)
WF-1000XM3自体発売されたのが、2019年で、Elite 85tが2020年の後半と考えるとしょうがない部分な気もしますが。
少し耳が痛くなりやすい
こちらについても発売からけっこう時間が経っているので比較対象としてはフェアではない気がしますが、WF-1000XM3はイヤホン自体がけっこう大きいです。
そのため耳への負担は少し大きく、長時間付けていると耳が痛くなりやすい傾向があります。
特に重心が外側にあるような形をしているためか、純正のイヤーピースや他メーカーのイヤーピースに交換したりしてみても、状況があまり変わらなかったのでWF-1000XM3の特徴か自分の耳との相性が良くなかったという感じですね😭
それぞれがどういう人に向いているか
最後に、それぞれがどういう人に向いているか私見を解説します。
Jabra Elite 85tがおすすめな人
Elite 85tが向いていると思うのは次のような方かと思います。
- 在宅ワークでイヤホンを使う人
ずばり「テレワークにJabra」なところで、自宅でお仕事をされる方には向いていると思います。
実際自分もかなりの時間Elite 85tを耳に入れて仕事をしています。
スマホで音楽を聴きながら作業しつつ、PCのZoomで打ち合わせに参加するなどをイヤホンに対して何も操作しなくても切り替えられるのが本当に便利です。 - ノイキャンや外音取り込みを優先する人
Elite 85tの良いと思うところでも書きましたが、ノイキャンと外音取り込みの性能がめちゃくちゃ高いので、音質よりもノイキャンと外音取り込みを優先する人にはかなりおすすめします。
WF-1000XM3で既にノイキャンと外音取り込みを経験していても、「これはめちゃくちゃ良い」と実感するレベルです。 - 通話をよく使う人
これまでの内容であまり触れていませんでしたが、通話品質もかなり良いと言っていただいています。
また先日3時間くらいぶっ通しでSlackを使った打ち合わせをしていたのですが、電池が切れることもなくずっと通話できていたので、通話をよくする人には向いていると思います。
SONY WF-1000XM3がおすすめな人
WF-1000XM3が向いていると思うのは次のような方かと思います。
- 音質を優先したい人
DSEE HXはやはり音質がかなり良くなりますので、音質を優先したい人にはWF-1000XM3が良いと思います。
また、Bluetoothの接続方式aptX HDがiPhoneには対応していないため、一部の完全ワイヤレスイヤホンではiPhoneで本領が発揮できなかったりしますが、WF-1000XM3はイヤホン側にDSEE HXが搭載されているので、デバイスに関係なく高音質で音を楽しむことができます。 - タッチ操作が良い人
物理ボタン操作の感触や音が気になってしまうので、タッチ操作が良いという人にはWF-1000XM3がおすすめですね。
アプリでタッチ操作も設定を切り替えることができるので左右同じ操作にもできますし、右は再生コントロール、左はノイキャンの切り替えなど役割も変えられるので自分に合ったタッチ操作にカスタマイズもできます。
以上、Jabra Elite 85tとSONY WF-1000XM3を比較して、それぞれの良いところと気になるところの紹介とどういう人におすすめできるかの解説でした。
今ではどちらも同じくらいの価格感で購入できるノイキャン・外音取り込み機能付き完全ワイヤレスイヤホンなので、どちらを購入しようか迷っている方の参考になれば嬉しいです。