HHKBとNiZ、コンパクトな静電容量無接点方式のメリットを比較

HHKBとNiZ、コンパクトな静電容量無接点方式のメリットを比較

今回は、NiZのPlum87を使ってみて静電容量無接点方式のキーボードとして良いところが見えてきたので、これまで10種類以上のキーボードを使ってきた知見を踏まえて、

  • HHKBとNiZシリーズを比較してそれぞれの良いところ
  • HHKBとNiZシリーズがそれぞれどういう人に向いているか

について解説できればと思います。

どちらも静電容量無接点方式としてはとても良いキーボードに仕上がっていますので、両者の良いところがどれくらい自分にとってメリットかの判断材料として使ってください。

HHKBとNiZのキーボードのどちらを買おうか迷っている方の参考になれば幸いです。

目次


比較の前提条件

NiZシリーズのキーボードにはフルサイズやテンキーレスなどモデルが多いので、HHKBと比較する上でNiZはコンパクトモデル(66キー、68キー、84キー)のみを対象としたいと思います。

同じコンパクトモデル同士での比較という前提で解説を進めます。


両者に共通して良いところ

HHKBとNiZ(66キー、68キー、84キー)それぞれ共通して、他のキーボードと比較したときのメリットは以下になります。

  • コンパクトである
  • 無線モデルがある
  • キー配列を変更できる

それぞれ解説していきます。

コンパクトである

まず両者ともにとてもコンパクトであることが大きなメリットですね。

コンパクトなので、カフェなどの狭い机の上でも使おうと思えば使うことができます。(HHKBは持ち歩く人もけっこう多いとか)

マウスや外付けのテンキーを使うときの腕の移動距離がとても短くなるので、肩こり対策にはもってこいだと思います。

腕の長さや手の大きさにもよりますが、肘置きに肘を置いたままほとんどのPC操作ができるんじゃないでしょうか🤔

コンパクトモデルに関しては「US配列のコンパクトキーボードを買う時の注意点」も書いていますので、よかったらご参考ください。

無線モデルがある

こちらも両者共通して無線モデルがあるのはメリットですね。

電池切れを考えなくてはいけないものの、配線を無くしてデスクの上をスッキリできるのでミニマリスト思考の人にはかなりマッチするんじゃないでしょうか。

スマホやタブレットでも使いたいという方には使いやすいキーボードだと思います。

キー配列を変更できる

それぞれ専用のソフトを使うことで、キー配列を変更できます。(HHKBはClassic以外)

両者ともにOS上での変更ではなく、キーボード自体の配列を変更できるため別の環境に挿して使うときもいちいち設定する必要がないのでかなり便利ですね。

その気になればDvorak配列に変更することもできますし、AutoHotKeyと組み合わせて特殊なキー配列を作ることもできます。


NiZシリーズの良いところ

先にNiZシリーズのHHKBと比較して良いところについて紹介します。

  • キートップの選択肢が多い
  • 押下圧とアクチュエーションポイントを変更できる
  • 音が静か
  • コンパクトモデルでも選択肢がある

順番に解説していきます。

キートップの選択肢が多い

NiZシリーズはCHERRY MX製のメカニカルキースイッチとキートップに互換性があるため、キートップの選択肢はかなり多いです。

自分も「無刻印キーボードを生み出す」の時に購入した無刻印キートップを取り付けて今も使っています。

ProgresTouchに付けているキートップもけっこう気に入っているので、そのうち交換しようかなと思ったりしていますが、そういった使い回しが利くのでCHERRY MX互換のキートップを買っておくのはおすすめです。

押下圧とアクチュエーションポイントを変更できる

NiZは押下圧が35gか45gのものを選べますが、35gを選んでも付属のバネで約45gにすることができます

小指みたいに力が強くない指で押すキーは35g、人差し指や中指で押すキーは45gにするなど、使う指に合わせたカスタマイズもできて便利です。

また、アクチュエーションポイント(どれくらい深くキーを押すと入力されるか)も三段階で切り替えができます

高速で入力したい人は浅く、誤作動対策やしっかりと押したときだけ反応して欲しい場合は深くと設定できます。

キー個別の変更はできないのですが、変えられるので好みに応じてチューニングできるのは大きいですね。

音が静か

静電容量無接点方式のキーボードは静音モデルが出るくらいに標準では音が鳴るのですが、NiZシリーズは最初から静音モデル並かそれ以上に静かになっています

【レビュー】NiZ Plum87は静電容量無接点方式で一番買いか?」の記事でも触れているのですが、静音化のゴムリングがキーを離した時に音が鳴るところに仕込まれているので、タイピング音がとても静かです。

コンパクトモデルでも選択肢がある

NiZのキーボードはコンパクトモデルとして、以下のモデルが用意されています。

84キーモデルもテンキーレスモデルに比べるとかなりコンパクトなので、コンパクトモデルとしてはかなり種類が豊富な部類ではないでしょうか。


HHKBシリーズの良いところ

次にHHKBシリーズがNiZシリーズと比較して良いところを紹介します。

  • カラーバリエーション
  • 無刻印モデルがある
  • 無線モデルは電池式
  • 英語配列、日本語配列が選べる
  • Altキーが大きい(英語配列)

順番に解説します。

カラーバリエーション

HHKBシリーズは白と墨のカラーバリエーションがあります。(※NiZシリーズにもモデルによっては黒が存在するのですが、ここ3ヶ月ほど在庫が無いので実質手に入りません。)

PC本体の色やデスクの上の小物のカラーに合わせてカラーパターンを選べるのはメリットですね。

無刻印モデルがある

HHKBにはキートップの文字が無い無刻印モデルがあります。

そのため、後からキートップを買ってカスタマイズしなくても最初から無刻印モデルを買うことで、追加出費無くスッキリしたキーボードを手に入れることができます。

無線モデルは電池式

HHKBの無線モデルは充電式ではなく、乾電池を入れ替える方式が採用されています

充電式だと充電池がヘタってしまうと結局有線で使うことになってしまうので、良いモノをより長く使えるように配慮されていて心遣いを感じますね。

しかも単三乾電池なので、4つ入りの充電池を買って使い回すようにすればほぼ充電が切れて使えなくなるということも無いですね。

英語配列、日本語配列が選べる

NiZシリーズは英語配列のみとなりますが、HHKBは配列は特殊な形になるものの英語配列と日本語配列どちらにするか選べます

個人的には、Zの段が多少左にズレているものの、これが気にならない人はカスタマイズに使えるキーも多い日本語配列はかなりメリットが大きいと思います。(方向キーもあります)

英語配列のHHKBもかなりスッキリとしたデザインなので、本当に最小限のキーで良いという方はHHKBの英語配列はかなり魅力的ですね。

Altキーが大きい(英語配列)

とても細かい話で恐縮なのですが、HHKBの英語配列版はスペースキーの両隣のキーの幅がNiZシリーズや一般的なメカニカルキーボードと比較して少し大きいです。

何が嬉しいかというと、MacOSでキーボードを使うときに多用するCommand(Cmd)キーを親指で押す時にあまり折り曲げなくても押せるという最大のメリットがあります。(MaOSで使う際はDIPスイッチでWinキーとAltキーの入れ替えをする前提です)

Windowsで使う場合でも、Alt+TabなどAltキーの出番は多いと思いますが、その時の親指への負荷が低いのはけっこう重要です。


どういう人に向いているか

ではそれぞれのシリーズの良いところを見ていきましたが、どういう人に向いているかを紹介します。

NiZシリーズが向いている人

まず、NiZシリーズが向いていると思う人は以下のようなイメージです。

  • いろんなキートップに替えて遊びたい人
    HHKBだとキートップが限られてきますが、NiZはCHERRY MX互換のキートップが使えるので見た目のカスタマイズ性はかなり高いです。最近ではちょっと立体的なおもしろいキートップも出ているので、いろいろカスタムしてみたいという人はNiZが良いと思います。
  • 最小限過ぎるのは困る人
    66キーモデル、68キーモデルは流石にキー配列がトリッキーなものになってきますが、静電容量無接点方式のコンパクトなものが欲しいけど配列は一般的なものに近いものが良いという方にはNiZが良いと思います。
  • 自分に合うキーボードがまだ明確じゃない人
    NiZシリーズは35gモデルを買ってバネを入れると約45gにできる、アクチュエーションポイントを変更できるなど、買ってからいろいろ試せるのでまずは少し高めのキーボードを試してみたいという人にはNiZシリーズがおすすめです。価格もHHKBよりは安いので、買って失敗したときのインパクトも抑えられるのではないでしょうか。

HHKBが向いている人

次に、HHKBが向いていると思う人は以下のようなイメージです。

  • 高級感のあるものを使いたい人
    NiZは標準でついているキートップが少しチープな感じだったり、プラスチックの質感がHHKBよりちょっと劣る印象です。その点HHKBは価格さながらの質感を持ち合わせているので所有欲は断然満たしてくれると思います。日常的に触れるものなので、満足感が高いのは重要ですね。
  • 無線モデルを長く使いたい人
    先のHHKBの良いところでも紹介しましたが、無線モデルが乾電池式というのは最近では非常に珍しいです。静電容量無接点方式のキーボードを長く提供している故の配慮が行き届いている感じがありますし、実際高級なキーボードは長く使えますので充電式より乾電池式の方が長期的に見てメリットが大きいでしょう。良いキーボードを長く使いたいと思っている方はHHKBが良いと思います。
  • 日本語配列のものが欲しい人
    コンパクトな静電容量無接点方式の日本語配列はHHKB一択ですね。

以上、NiZシリーズとHHKBのそれぞれの良いところとどういう人に向いているかの解説でした。

個人的に、押し心地ではやはりHHKBを打っているときの高揚感はすごかったなと思うのですが、トータルで考えると35gという軽さと音の静かさ、カスタマイズが簡単というところからNiZシリーズに軍配かなという印象ですね。

どちらも個別に良さがあるので、それぞれの良さを比較して自分に最適なキーボードを見つけていただけたらと思います

この記事がHHKBとNiZシリーズのキーボードのどちらを買おうか迷っている方の参考になれば幸いです。

<< 重要なキーが揃っているモデル >> NiZ 68EC(S)BLE

<< コンパクトながらも実用的なモデル >> NiZ 84EC(S)BLE

<< 最高の打ち心地を日本語配列で >> HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列/白

<< 究極のスッキリしたデザインを手元に >> HHKB Professional HYBRID Type-S 無刻印/墨(英語配列)

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