視力矯正手術ICLを受けて3年経過し気になるところを解説

視力矯正手術ICLを受けて3年経過し気になるところを解説

今回は「眼内コンタクトレンズ(ホールICL)」の手術を受けてから、3年過ごした感想を紹介したいと思います。

結論としては、多少の副作用が出ているものの生活の利便性が格段に良くなったので個人的にはやってよかったと思っています。

手術の内容や流れなどは他の方のブログなどで紹介されていると思いますので、本記事では以下に絞って解説できればと思います。

  • ICLの手術前後の視力
  • ICLの手術を受けようと思った理由
  • ICLの手術前後で必要な準備
  • ICLの手術後気をつけていたこと
  • ICLの手術後3年過ごしてみた感想

記録があまり上手に残せていなかったので思い出しながらの解説になりますが、ICLやレーシックの手術を受けようか悩んでいる方の参考になれば幸いです。

※ 本記事は医療用語や手術に関する情報が含まれますので、書かれている内容をそのまま鵜呑みせず専門の医療機関に相談してリスクを理解した上で判断してください。

目次


ICLの手術前後の視力

まず筆者の手術前・手術後の視力をそれぞれ紹介します。

手術前の視力

自分の元の視力は乱視も特に出ていない左右ともに0.06で、メガネやコンタクトレンズでの矯正視力は左右ともに1.2~1.5にでした。

基本的にはメガネユーザーで、自宅に居るときは1.2に、外出(職場含む)のときは1.5に矯正するメガネを使い分けて過ごしていました。(サングラスも度付きにしていて、車を運転するときは付け替えるイメージです)

スポーツをするときは1Dayの使い捨てコンタクトレンズにして、終わったらすぐゴミ箱にブチ込むタイプでした。

使い捨てコンタクトレンズはいくつか試しましたが、どうしても「付けてる感」が不快で最後まで慣れませんでしたね。。。

手術後の視力

手術視力は左右ともに1.2にしたいという希望で手術を受け、手術後1~2年は左右ともに1.5になっていました。

「希望より良くなってしまってる」と思う方も居るかもしれませんが、あくまで体質や眼内の事情による部分があるらしく多少誤差が出ることがあるようです。

精密な視力を希望する方はあまり向いていないかもしれませんね。

今年はまだ視力検査をしていないので正確な視力はまだ測れていませんが、ここ2年在宅作業になり一日中近くを見続けているので、おそらく少し下がっていると思います。(なぜICL入れたのかというレベルで近くばっかり見て過ごしています)


ICLの手術を受けようと思った理由

次にICLの手術を受けようと思った理由について解説します。

きっかけは友人が「ICL受けようと思ってる」というのを聞いて初めて知りました。

レーシックについては以前から軽くは知っていましたが、不可逆的な手術である(手術前の状態に戻せない)ことが気になっていて、メガネやコンタクトレンズに不便を感じているものの「戻せないのはちょっとイヤだなぁ」と思って特に気に留めていませんでした。

ところがICLは調べてみると「白内障の手術の応用で眼の中にレンズを入れて視力を矯正する手術」と知り、(メスが入っているので)完全に元の眼の状態に戻せるわけではないが、「レンズを入れたことで毎日頭痛に悩まされる」みたいなことがあったときに入れたレンズを取り出せば解決できるというのはとても魅力的でした。

元々、不便さを我慢すれば特に問題ない眼ではありましたが、震災などの災害でメガネを失うと歩くこともままならないというのがすごくイヤでした。(阪神大震災を小学生のときに経験しているので、目が見えない生活を強いられる状況は普通に起こりうると日々感じていました。)

また、手術前の趣味としては、バイク、スノーボード、温泉と裸眼である方が楽しいものが多かったので、最終的には以下のような理由からICLの手術を受けようと決意しました。

  • 災害時も裸眼で過ごせる
  • 日々のメガネ・コンタクトの手入れから解放される
  • メガネ・コンタクトの買い替え費用が無くなる
  • 趣味をより楽しむことができる
  • いざというときはレンズを取り出せる

ICLの手術前後で必要な準備

今度は、手術前後で準備したものについて解説します。(病院から渡される手術の流れ(しおり)や薬については省略しています)

  • 手術日前後のお休み
  • メオガードネオ24

順番に解説します。

手術日前後のお休み

ICLの手術を受けるにあたって、事前の検査や術後の診察などけっこう病院に通う回数が多く、会社員をされている方は午前休や有休など職場の方とご相談の上進めてもらうのが良いかと思います。

自分の場合は手術申し込み前に以下でそれぞれ午後休をいただいていました。

  • 説明会1回(ICLやレーシックについての講習みたいなものです)
  • 眼の精密検査を2回(瞳孔を開く目薬を使ったりするので後の予定は空けておくのが良いです)

手術後は以下の診察スケジュールでした。

  • 手術日
  • 手術日の翌日
  • 手術日の翌々日
  • 手術日の1週間後
  • 手術日の2週間後
  • 手術日の1ヶ月後
  • 手術日の2ヶ月後
  • 手術日の3ヶ月後

1週間後からはぴったりでなくてもよく、医師の予定との兼ね合いで多少前後するという形になっていて、翌々日以降は診察後出勤(時差出勤)とさせてもらってました。(当時の職場には本当に感謝していますm(_ _)m)

メオガードネオ24

名前のセンスが素晴らしいですね。24時間めっちゃ眼をガードしてくれそうなメガネです。

手術後1ヶ月間は寝るときも眼を守る必要があるため、このメガネのつるの部分をゴーグルのようなバンドに付け替えて寝るときもメオガードを付けて寝ます。

慣れないうちはとても寝づらくて、普段うつ伏せ寝の自分にとっては地獄の日々でした。

手術を受ける病院によっては配布されるかもしれませんが、自分は自前でAmazonさんから購入しました。


ICLの手術後気をつけていたこと

次に手術後に気をつけていたことについて紹介します。

基本的に度が過ぎるくらいの心配性な性格(周りがなんでICL受けたの?ってレベル)なので、いろいろなことに最善を尽くしていました。

  • 処方された薬類は徹底する
  • お風呂やシャワーも案内通りにする
  • 手術後1ヶ月は日中も度なしメガネをかける

順番に解説します。

処方された薬類は徹底する

こちらは当然ではあるのですが、手術前後の薬類はスケジュール通り全てこなしました。

特に手術後3ヶ月間続ける目薬は、Googleカレンダーに毎日の繰り返し予定として登録し目薬をさすまで通知から消さないを徹底していました。

目薬が染みて痛かったときは、病院に電話して事情を話して判断を仰いだりもしていました。

今思えば心配し過ぎだったかもしれませんが、きちんと丁寧に「こういう理由が考えられる」というのも解説いただいたので精神的にも安心できて本当に助かりました。

お風呂やシャワーも案内通りにする

手術当日はお風呂に入れません。(自分は真夏に手術を受けてしまいましたが、あまりおすすめできないですね)

お風呂やシャワー関連は手術後以下のようなスケジュールです。

  • 顔を洗う
    1週間は石鹸なしで、水かぬるま湯で濡らしたタオルで眼を押さえないようにやさしく拭う。2週目以降は石鹸OK(眼をしっかり閉じる)
  • 髪を洗う
    1週間は必ず上向きの状態で、眼に水が入らないようにする。2週目~1ヶ月後くらいまでは眼をしっかり閉じて洗う。
  • お風呂・シャワー
    手術翌日は首から下のみシャワー、またはかけ湯だけ。2日目以降は湯船OKだが眼をしっかり閉じて水が眼に入らないようにする。

自分の場合、暖かい季節だったこともあり、目薬が終わる手術後3ヶ月まではシャワーだけにしていました。

※ 心配性だったので水泳用のゴーグルを付けて眼をしっかりつぶってシャワーしてましたが、ゴーグルを付けて良いかどうかは医師にご相談ください。

手術後1ヶ月は日中も度なしメガネをかける

日中のメオガードは1週間後の検査までだったと記憶しています。

自分の場合、元々使っていたお気に入りのメガネのレンズを度なしのものに交換して1ヶ月間は日中もかけるようにしていました。

当時は人の多いところに通勤していたので、不意に人にぶつかられるかもという心配が大きかったのと日中の紫外線をメガネにカットしてもらう狙いで。


ICLの手術後3年過ごしてみた感想

最初に「副作用がある」と書いていた部分についてまず解説して、ICL手術をして良かったと思える理由について解説していきます。

副作用

自分に起こっている副作用は以下の3つです。

  • 超手元が見えづらくなる
  • 光の輪が見える
  • ハロー・グレア

それぞれ解説します。

超手元が見えづらくなる

朝の起き抜けは特に感じるのですが、枕元でスマホを見るときの距離感(眼から画面まで15~20cmほど)だと小さい文字が見えづらいです。

小さい字というのも一般の方が設定するフォントサイズだとあまり問題にならないかもしれません。(誰にスマホを見せても「文字小っさ!」と言われるので。。。)

ある意味少し老眼が早く来ている感じでしょうか、遠くを見るための手術なのでこれもトレードオフですね。

そもそもそんなに近くでモノを見るということが自分の生活の中でほとんど無いので特に困っていませんが、手元で超精密なものを見る必要があるお仕事をされている方は要注意だと思います。

光の輪が見える

眼に入れてもらったのが「ホールICL」というもので、レンズの中心に穴が空いているタイプです。

光の輪が見える条件としては夜に強烈な光源が目に写る角度で入ってきた場合だけで、手術直後は「うわー思ったより光の輪見えるー!」となりましたが、人間慣れるもので今となっては「輪見えてるねー」くらいになりました。

この光の輪は「レンズの中心の穴」に光が反射して見えるようで、目の焦点が合っているところには被らない出方になっています。(文章で表現するのが難しい。。。)

ただ「こういう現象が一切起きてほしくない」という方はやめておいた方が良いと思います。

ハロー・グレア

手術前の精密検査で瞳孔の大きさを測ってもらったのですが、自分の場合は暗闇の中での瞳孔がけっこう大きい方だったようです。

どういう状況かというと、暗闇に居るときに「 ICL本体の矯正が効いている円の大きさ < 瞳孔」となることで、視界の一部が視力矯正の範囲からはみ出てしまうイメージです。荒っぽく表現するなら「メガネの縁の外はぼやけて見える」という感じでしょうか。

その検査結果については、医師からもきちんと説明をもらっていて「見え方に多少影響が出る可能性はある」と言われていて、それを承知の上で手術を受ける決意をしました。

実際には、瞳孔が開くタイミング(暗い場所、疲れていたり)で光が若干にじんで広がる感じにはなりますが、逆に「あー今瞳孔開いてるなー」とわかるので「もう寝よう、しっかり休もう」というきっかけとして使ってたりします。(光源を見るとシュッと瞳孔が閉じていくのがわかります)

車の運転中危なくないの?と思われるかもしれませんが、自分の運転している車のヘッドライトの明かりで正常な見え方になる瞳孔サイズまで閉じてくれます。(暗闇で何かするときもスマホのLEDとかを点けて照らせば普通の見え方になりますね)

今のところ瞳孔が開くほどの暗闇で目が見えないと困ることが無いので気になりませんが、暗闇での精密作業や人の命を預かるようなお仕事をされている方は要注意だと思います。

良いところ

言うまでもないものもありますが、良いと思うところは以下です。

  • 視力矯正器具の手入れが無くなる
  • ヘルメットを被るときにいちいちメガネを外さなくて良い
  • 起きてから寝るまでずっとよく見える

順番にさらっと解説します。

視力矯正器具の手入れが無くなる

これは言うまでもなくですね。

自分は普段PCやスマホのフォントサイズをめちゃくちゃ小さくして使うので、メガネにホコリや汚れが少しでも付いていると邪魔になります。

なので毎朝きっちりメガネのレンズを水洗いする生活をしていたのですが、この作業がなくなって本当にラクになりました。

また、寒い日に電車に乗ったときやラーメンを食べているとき、マスクを付けたときのメガネの曇りを気にすることも一切なくなり、本当に快適です。

ヘルメットを被るときにいちいちメガネを外さなくて良い

これはバイクに乗らない方は関係ないかもしれません。

バイクに乗っていたときにフルフェイスヘルメットを被っていたのですが、いちいちメガネを外してヘルメットを被るという面倒くさい工程が無くなって、これも幸せでした。

フルフェイスヘルメットは片手で被るのが地味に難しかったりする上に、バイクはモノを置く場所が本当に無いので「メガネどこ置くねん」という問題に悩まされていました。

コンタクトにすれば?という話なのですが、ドライアイ気味なためコンタクトがめちゃくちゃ乾いてしまうんですよね。。。

余談ですが、コンタクトでバイクに乗って出かけていて、終わってコンタクトを取る時に「ペリペリッ」って音が鳴ったときは正直焦りました。(千切れて眼にコンタクトが残ると厄介らしいです)

今はもうバイクは手放してしまいましたが、フルフェイスヘルメットとの相性も良かったです。

起きてから寝るまでずっとよく見える

これは先にも書きましたが、朝起きたときから寝るまでメガネを使わずにずっとよく見えるままです。

メガネが急に割れてしまったりコンタクトを買い忘れたりなどを考えなくていいのがとても快適です。


参考までに処方されていた目薬とメオガード、ICLが眼に入っていると瞳が反射するようになるのでその写真を載せておきますね。

以上、「眼内コンタクトレンズ(ホールICL)」の手術を受けてから3年過ごしてみた感想の解説でした。

手術後3ヶ月は辛抱が必要ですが、それを乗り越えるとめちゃくちゃ自由になれるので本当にやってよかった体への投資だと思います。

自分のように視力がそこまで悪くない人はレーシックでも大丈夫というお話もいただきましたが、手術後のリスクもしっかり検討してICLを選ぶことにしました。

最後に触れておきたいのが、レーシックにしてもICLにしてもこの手のものは「視力回復手術」と誤解を招く表現をされることが多いのですが、「視力矯正手術(正確には、屈折矯正手術)」であるということです。

「視力回復手術だけど眼科医がやってないということは欠陥のある手術だ!」という人も居ます。

ですが、冷静に考えて視力回復ではなく視力矯正手術なので「日常的に近くを見ることが多く近くを見るのが得意な近視状態の人」が、わざわざ遠くを見やすくするための手術をする必要はないですよね。

どんなものでも手術は少なからずリスクが伴うものが多く、場合によっては後遺症が残るものもあります。(縫い合わせ跡もある意味後遺症と捉えられます)

大事なのは、その手術にどういうリスクや副作用があって「最悪の場合にどういうことが起こりうるのか」を専門家にきっちり確認して、そのリスクや副作用が許容できるかどうかを自分で判断することだと思いますので、今検討中の方は悔いの無いよう徹底的に検討してから判断することをおすすめします。

現在ICLやレーシックなどの視力矯正手術を検討している方の参考になれば幸いです😌

この記事もおすすめ