今回は、FiiOさんの有線イヤホンを完全ワイヤレスイヤホン化できるアダプター「UTWS3」を使ってみた感想を解説します。
以前、MMCX端子のイヤホンを完全ワイヤレス化できるものとしてSHUREさんの「RMCE-TW1」を使っていましたが、最近新しく発売されたUTWS3が気になってしまい、気づいたらポチってしまっていました。
結論としては、リケーブル製品としては同じような価格帯で有線ケーブルを買うよりも断然おすすめなので、良いところと気になるところ、どういう人におすすめできるかについて詳しく解説していきますね。
接続しているイヤホンは「SHURE SE535LTD」「NUARL NX1」との組み合わせで使っています。
UTWS3を買おうか悩んでいる方、MMCX端子のイヤホンを完全ワイヤレス化できるもので何が良いか迷っている方の参考になれば幸いです。
YouTubeにも解説動画を上げていますので、よかったらこちらも合わせてご参考ください。
目次
UTWS3の特徴
まず、FiiO UTWS3の特徴について簡単に紹介します。
- MMCX対応
- 防水性能IPX4
- ボリュームを細かく設定できる
- アプリでボタン操作のカスタマイズが可能
順番に解説していきます。
MMCX対応
UTWS3はリケーブルのケーブル部分と同じで、MMCX端子を持つ耳掛けタイプのイヤホンと組み合わせて使うことができます。
最近0.78mm2ピンコネクターも注文できるようになったようです。
MMCX端子を持つ耳掛けタイプのイヤホンは、SHUREさんから発売されているSEシリーズをはじめかなりいろんなメーカーから発売されていることもあり、対応しているイヤホンの種類が多いもの良いですね。
お気に入りのMMCX端子を持つイヤホンを完全ワイヤレス化できるのは、めちゃくちゃ良いです😎
防水性能IPX4
アダプター本体は、水しぶきがかかる日常生活での耐水性を持つIPX4に対応しています。
取り付けるイヤホンの防水性能が無いとあまり効果はないかもしれませんが、耳掛けの後ろ側に出てくるアダプター自体が防水なので髪の毛から垂れるような汗や雨が少しかかるのは気にせず使える仕様になっています。
ボリュームを細かく設定できる
UTWS3はアダプター本体側にボリューム設定があり、PCやスマホのボリューム操作とは別に26段階で細かくボリュームの調整が行なえます。
個人的には特にスマホのときのボリューム操作で「あー、0.5が欲しい!」と思うことが多々あったので、イヤホン側に別でボリューム調整ができるのはとてもありがたい仕様です。
アプリでボタン操作のカスタマイズが可能
最近の完全ワイヤレスイヤホンでは主流になってきている「ボタン操作のカスタマイズ」がUTWS3も可能です。
執筆時点では、ボタン操作は既に用意されている3種類の中から選ぶ仕様になっていて、よく使う1~3回押しと長押しはそれぞれ以下のようになっています。
- ボタン機能1
- 1回押し: 再生/一時停止/応答/終話(LRどちらも)
- 2回押し: 着信拒否(LRどちらかを単押し)/曲戻し(L)/曲送り(R)
- 3回押し: ボイスアシスタント
- L長押し: 音量ダウン
- R長押し: 音量アップ
- ボタン機能2
- L1回押し: 再生/音量ダウン(通話中)/着信応答
- R1回押し: 再生/音量アップ(通話中)/着信応答
- 2回押し: 一時停止(LRどちらも)
- 3回押し: ボイスアシスタント
- L2秒長押し: 曲戻し/終話/着信拒否
- R2秒長押し: 曲送り/終話/着信拒否
- ボタン機能3
- L1回押し: 再生/音量ダウン(通話中)/着信応答
- R1回押し: 再生/音量アップ(通話中)/着信応答
- L2回押し: ボイスアシスタント/着信拒否
- R2回押し: 一時停止/着信拒否
- L2秒長押し: 曲戻し/終話
- R2秒長押し: 曲送り/終話
個人的には、2回押しで曲送りと曲戻しを使いたい派なので、ボタン機能1一択でした。
もう少しバリエーションを増やしてもらうか、個別に設定できると理想的かなと思います。
FiiO UTWS3ギャラリー
FiiO UTWS3の写真をいくつか撮影してみましたので、雰囲気が少しでも伝われば嬉しいです。
UTWS3の良いところ
次に、FiiO UTWS3の特に良いと思ったところについて紹介します。
- 有線ケーブルと比較しても安い
- 音質が良い
- 物理ボタンが押しやすい
- 片耳駆動モードがある
順番に解説していきます。
有線ケーブルと比較しても安い
イヤホンのケーブルは、音質にこだわり始めると良い音質を狙えば狙うほど1万円は軽く超えていく世界です。
お金をかければかけるほど、音質はべらぼうに良くなるものの「機能としてはただ音を鳴らすことしかできない」のが有線ケーブルの限界ですね。
そんな中、UTWS3は良い音質のケーブルと比較しても価格は1万円強とそこまで高くないものの、音質もなかなかに良く無線化できるという高機能な製品です。
アプリにも対応していてボタン操作のカスタマイズまでできるので、有線ケーブルと比較すると圧倒的に利便性が高まります。
音質が良い
UTWS3は「Bluetoothだから音質イマイチじゃないの?」と思われる方も居るかもしれませんが、もちろんなかなかの高音質です。
というのも、UTWS3は左右それぞれの耳掛け部分にアンプが内蔵されていて、低歪みかつ大出力ということで複数のドライバーが積まれていてもしっかり鳴らせる仕様になっています。
実際の音質については好みがあるため、確実に良いとは言えないものの「SHURE SE535LTD」や「NUARL NX1」を接続して使っている分には有線並かそれ以上に感じます。
自分の場合は、有線ケーブルでSurface Pro 7のイヤホン端子に直挿しして音楽を聴くのですが、無音状態でも「サー」というホワイトノイズが鳴ってしまうのですが、UTWS3を使って接続している状態であれば無音です。
ホワイトノイズが無くなるだけでも個人的にはかなりストレスフリーになるため、無線化することで場所を取らなくなることもあり、有線ケーブルとアンプを使って音楽を聴くよりメリットが多いですね。
物理ボタンが押しやすい
最近の完全ワイヤレスイヤホンはタッチセンサーによる操作が多くなってきていますが、UTWS3は物理ボタン操作になっています。
個人的には物理ボタンというだけでありがたいのですが、軽く押すだけでボタン操作ができるようになっていて、公式サイトによると「わずか60g」の力で押し込める仕様になっているようです。
「数字で言われても。。」となるかと思いますが、しっかりとしたクリック感がありつつもタッチのような軽さで押せるというイメージです!(押しやすい)
片耳駆動モードがある
こちらは車の運転をしながらイヤホンを使うような方、電話をよく使う方には良い機能かなと思います。
通常両耳で聴いているときはステレオになりますが、片耳だけ取り出して使うと片耳に両方の音が流れるようになります。
片耳でしっかり音楽を楽しみつつ、通話メインで使うような使い方をする方におすすめの機能ですね。
UTWS3の気になるところ
今度は、UTWS3のちょっと気になるところについて紹介します。
- ファームウェアのアップデートがAndroidのみ対応?
- アプリが発展途上感あり
- 耳掛けはクセが強い
順番に解説します。
ファームウェアのアップデートがAndroidのみ対応?
公式サイトにも書かれているのですが、執筆時点でOTAアップデートはAndroidのみ対応とのことです。
自分の場合は、手元に来た時点でアップデートしていない状態でも普通に利用する全ての機能を使えているので、今のところは問題なさそうですがiPhoneユーザーの方は注意が必要です。
後日iOSにも対応されると良いのですが。。。
アプリが発展途上感あり
UTWS3の設定を行うためのアプリ「FiiO Control」が、Pixel5で使うとけっこう使いづらい部分が多いです。
具体的には、↓のような形で画面右上の更新ボタンと設定ボタンが通知領域と被っていて、めちゃくちゃ押しづらい仕様になっていたりします。
今後のバージョンアップに期待ですね。
耳掛けはクセが強い
SHURE RMCE-TW1のときも感じましたが、耳掛けタイプのイヤホンはクセが強いですね。
具体的には、イヤホンを耳に付けるときに「イヤホンを耳に入れてから耳掛け部分を後ろに回す」のか「耳掛け部分を耳に引っ掛けてからイヤホンを耳に入れる」のか、最初はどちらも馴染まなかったです😅
柔軟性のあるところがMMCX接続部分付近だけのため、少し慣れが必要でした。
今のところは
- 耳掛け部分を耳に引っ掛ける
- イヤホンを耳に入れる
- 髪の毛がアダプターと耳の間に挟まる
- 髪の毛もシュッと指で引いて巻き込んでいる髪を取る
という流れで装着しています。
ただ、クセが強いと言ったものの装着感は良く、重みもあまり感じないため一回装着してしまえば快適そのものです。
やはりお気に入りのMMCX端子イヤホンを完全ワイヤレスイヤホン化できるメリットが断然大きいです。
どういう人におすすめか
最後にFiiO UTWS3がどういう人に向いているかですが、ズバリMMCX端子のシュア掛けイヤホンを持っている方です。
やはりケーブルの煩わしさから解放されるのは圧倒的に便利で、超高級イヤホンケーブルとDAPを使って音楽を聴いている人からすると音質に物足りない部分は出てくると思いますが、音質を多少犠牲にしてでも得られるメリットは大きいと思います。
例えば、有線ケーブルをPCに挿して作業しながら音楽を聴いたり動画を観ているときに、別の部屋(トイレや洗面所も含む)に行こうとするとイヤホンを外して(傷つかないようにそっと)置いて、移動して戻ってきてまた付け直す。この時、低反発イヤーピースを使っていたりすると一度圧縮して耳に入れ直すのがめんどくさいですよね。
その点、完全ワイヤレス化できていると付けたまま別の部屋へ移動してもそこまで音が途切れることがないので、縦横無尽に移動できます。「あ、水飲もう」と台所への移動もラクラクです。
UTWS3内に独自のアンプも積まれていて、音質もそこまで犠牲にならず高音質で音楽を楽しむことができますので、ぜひ一度検討してみて欲しいです。
以上、FiiOさんの有線イヤホンを完全ワイヤレスイヤホン化できるアダプター「UTWS3」を使ってみた感想の解説でした。
リケーブル製品としては同じような価格帯で有線ケーブルを買うよりも断然おすすめなので、今のタイミングで有線ケーブルを新調しようとしている方もぜひ一度検討してみていただきたいです。
UTWS3を買おうか悩んでいる方、MMCX端子のイヤホンを完全ワイヤレス化できるもので何が良いか迷っている方の参考になれば幸いです。
FiiO 左右独立型耳掛け式Bluetoothレシーバー UTWS3 MMCX FIO-UTWS3-MMCX [FIOUTWS3MMCX]【MLPT】