今回は、満を持して発売されたDENONさん初の完全ワイヤレスイヤホン「AH-C830NCW」を使ってみた感想をお届けします。
AH-C830NCWのお気に入りポイントをまとめると↓で、
- 音質が良い
- 軽くて浅めのフィットでつけ心地が良い
- ノイキャンが優秀
- 外音取込が優秀
- タッチ音が鳴って誤操作が少ない
- 片耳使用中はモノラルモードになる
片側約5.0g(実測)とめちゃくちゃ軽量ながら、ノイキャンや外音取込機能も優秀で「音楽をじっくりと聴いていたくなる完全ワイヤレスイヤホン」な仕上がりになっています。
ちょっと余談ですが、思い返してみると自分がイヤホン沼にハマり出したのは、ウォークマンやiPodに付属しているイヤホンから「ちょっと良いものを使ってみようかな」と買ったDENONさんの「AH-C710」でした。
当時8,000円くらいで買って「8,000円もするだけあって音めちゃくちゃ良いやん!」とはしゃいでいましたが、あれは序章に過ぎませんでした。。。
最終的には、イヤホンの接続部分辺りが断線してしまってお別れしてしまいましたが、今いろいろなイヤホンのレビューをできているのもDENONさんのおかげです。
ということで、この記事ではDENONさんの「AH-C830NCW」のお気に入りポイントと逆に気になったところを詳しく紹介し、どういう人におすすめできるかを解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
YouTubeにも解説動画を上げていますので、よかったらこちらも合わせてご参考ください。
目次
AH-C830NCWのお気に入りポイント
まず、自分がAH-C830NCWの「ここが良い!」と思ったところについて紹介します。
- 音質が良い
- 軽くて浅めのフィット感でつけ心地が良い
- ノイキャンが優秀
- 外音取込が優秀
- タッチ操作音が鳴って誤操作が少ない
- 片耳使用中はモノラルモードになる
順番に解説していきます。
音質が良い
DENONさんは、ホームシアター向けのAVアンプや高級なオーディオ環境を構築するときに利用するプリメインアンプなど、高級オーディオ製品を作っているメーカーだけあって、AH-C830NCWも音質はビックリするくらい良いです。
公式サイトによると、
サウンドマスターによる試聴と調整を繰り返して完成度を高めた大口径(11x10mm)ダイナミックドライバーを搭載。
デノンならではの、圧倒的な情報量とワイドな空間表現、ライブ会場の熱量までも伝えるダイナミズムを実現しています。
ということで、実際に聴いてみて「3万円クラスの完全ワイヤレスイヤホンの音質に食い込む勢い」という印象でした。(音質のコスパは間違いなく良いです)
音質の傾向としては、全音域なめらかに音質が良く、立体感もあるのでオーケストラのような音楽や映画も楽しめますし、良い意味?で、音源(収録環境)の良し悪しがわかるイヤホンに仕上がっています。
最近の高音質音声コーデックとされる「LDAC」や「aptX adaptive」などに対応しておらず、「AAC」と「SBC」のみの対応ですが全然気にならないくらい音が良いです。
AACコーデックにも関わらず高音質で聴けるのは、逆にiPhoneやAndroid、PCなど端末を選ばずに高音質で聴けるということなので、これは非常に良いポイントですね。
軽くて浅めのフィット感でつけ心地が良い
AH-C830NCWは、公称で「片側5.3g」となっていたのですが、手元のスケール2つで測定してみたところ片側約5.0gと公称より軽かったですw
自分がこれまで使っているノイキャン・外音取込機能付きの高機能完全ワイヤレスイヤホンで、一番軽いのは先日レビュー記事を書いた「Jabra Elite 7 Pro」の約5.4gでした。
AH-C830NCWは片側約5.0gなので、さらに軽くなっていてシンプルにすごいですね。
また、フィット感としてはAirPodsのようなスティック型のタイプなこともあり、イヤーピースは耳の奥までは入らず浅めにフィットする仕様になっています。
浅めのフィットなので耳への負担が少なく、またイヤホン本体が軽いこともあり一日中つけていても疲れづらいのが魅力ですね。
イヤーピースのSとMの差がけっこう大きめなので、イヤーピースが合わない場合は後で紹介するイヤーピースを検討してみても良いかもしれません。
ノイキャンが優秀
DENONさんは元々ノイキャン機能付きのヘッドホンを作っているからか、AH-C830NCWのノイキャンもかなり優秀です。
特に低い音のノイズを軽減してくれる傾向で、全くの無音になるというわけではないものの、車通りの大通りでも音楽を楽しめるくらいノイズを軽減してくれます。
例えば、原付きの排気音のような「ビーという音が高めのノイズ」については多少入ってきますが、バスの排気音のような「ゴーという音が低めのノイズ」は大幅に軽減される印象ですね。
洗濯機の乾燥の音も同じく軽減されるので、仕事中の洗濯乾燥機から発生するノイズもあまり気にならないようにしてくれて作業に集中しやすいです。
ちなみにノイキャンをオンにしたときの「サー」というホワイトノイズも、自分の感覚だと無音レベルで音楽を流していなくても快適に過ごせます。
外音取込が優秀
AH-C830NCWは、外音取込機能(周囲音ミックス機能)もかなり優秀で、外音取込機能をオンにしたとき特有の「コー」という感じの反響音のようなノイズは、自分の感覚だと全く感じません。
外音取込機能をオンにしたときに、再生中の音楽はそのまま流れ続ける(一時停止になったり音量が下がったりしない)タイプなので、そのまま会話をするのは難しいですが、音楽を一時停止すれば問題なく会話できます。
ノイキャンが強力なので、普段はノイキャンをオンにしつつ音量をとても小さくしておき、会話するタイミングで外音取込機能をオンにするという使い方も全然できるかと思います。
タッチ音が鳴って誤操作が少ない
AH-C830NCWは、再生コントロールやノイキャン・外音取込の切り替えをタッチ操作で行います。
タッチ操作を行うときに、タッチした瞬間くらいで「ピッ」という音が鳴ってくれるので、タッチできているかどうかがとてもわかりやすいです。
完全ワイヤレスイヤホンの中には、タッチ音が鳴るもののタッチしてからラグが発生するものもあり、意図しない操作が起きやすい場合があるのですが、AH-C830NCWはレスポンスが早いのでとても快適にタッチ操作できます。
タッチ操作の割り当ては以下のようになっています。
- 再生コントロール
- 右1回タッチ: 再生/一時停止
- 右2回タッチ: 曲送り
- 右3回タッチ: 曲戻し
- ノイキャン/外音取込切り替え
- 左1回タッチ: 外音取込/ノイキャン/オフ
- 音声アシスタントの呼び出し
- 右2回目を長押し
音量操作は割り当てられていないので、端末側で操作が必要になります。
また、ノイキャン/外音取込/オフを切り替えた時に、独特の音が鳴る仕様になっていて、文字で表現すると以下のような音がなります。
- ノイキャン: ポンッ♪
- 外音取込: ポポンッ♪
- オフ: ティロリン♪
はい、ちょっとわかりづらいですが、ご参考まで。。。
片耳使用中はモノラルモードになる
AH-C830NCWは片耳でも使うことができ、片耳使用中はモノラルモードになります。(Jabra Elite 7 Proに続き、便利な機能ですね)
「モノラルモード」は、ざっくりいうと本来左右の耳で出し分けている音を出し分けずに同じところで流すモードです。
例えば、左耳だけにイヤホンを付けて右耳をケースに入れて使っている場合に、本来右耳で鳴っているはずの音も左耳で鳴ってくれるようになるので、より音楽や映像を楽しみやすいモードですね。
片耳駆動できるイヤホンはけっこうあるものの、モノラルモードになってくれるものは多くないので、片耳使用がより快適なモノラルモードがあるのは強みです。
AH-C830NCWの気になるところ
AH-C830NCWは、満足度が高く特に不満は無いのですが、「人によっては気になるかも」というところを挙げますので、参考にしてみてください。
- 若干皮脂が付きやすい
- アプリに非対応
- バッテリー持続時間がちょっと短め
順番に解説します。
若干皮脂が付きやすい
AH-C830NCWは、イヤホン本体が艶ありで高級感のあるグロス仕上げになっています。
デザインに関しては、とても好みが分かれる部分なので賛否ありませんが、光沢のあるデザインのため「皮脂は若干付きやすい」印象です。
自分は比較的手の皮脂が多い方なので、購入前は「これは皮脂めっちゃ付きそう」と思っていたものの、実際に使ってみるとそこまでベタベタには付かない感じです。
目を凝らしてみると若干付いているのは付いているのですが、自分の場合はブラックを選んだにも関わらずあまり目立たないのが嬉しいですね。
もちろん、つや消し素材のイヤホンに比べると皮脂はつくので、この辺りが気になる人は要注意です。
アプリに非対応
こちらは各所で言われているところではありますが、AH-C830NCWはスマホアプリ非対応になります。
そのため、タッチ操作のカスタマイズやファームウェアアップデートが今のところできません。
自分の場合は、タッチ操作は理想形と同じなので問題ないのですが、ファームウェアのアップデートができないところと、「装着検知機能がオフにできない」のが気になっています。
AH-C830NCWの装着検知機能は、誤作動がほとんどなく大きく困ることはないのですが、個人的に使わない機能なので「オフにできるのならしたい」というのが本音ですね。
バッテリー持続時間がちょっと短め
AH-C830NCWは、公称でイヤホンのバッテリー持続時間が「ノイキャンオン時で4.8時間」となっています。
最近の完全ワイヤレスイヤホンは、7時間以上持つものも増えているのでちょっと短めの仕様になっています。
自分の場合、お昼ごはんの時に一度イヤホンを充電するので、連続で4.8時間使い続けるシチュエーションがそもそもなく、問題にはならないのですが人によっては困るところかもしれません。
東京~博多間を新幹線で出張する方は、途中一度ケースに戻して充電する必要があるかも、と思っていただけたらと思います。
ただ、急速充電にも対応していて、10分の充電で約50分の音楽再生は可能になります。
AH-C830NCWにおすすめのイヤーピース
参考までに、AH-C830NCWで自分が試してみたイヤーピースについて紹介します。(おすすめ度は5段階)
AH-C830NCWはイヤーピースを付けるノズルが短めになっているため、主に「完全ワイヤレスイヤホン向け」とされているイヤーピースを試しました。
- SpinFit CP1025
- おすすめ度: 5
- 浅めにフィットしてくれ、また軸が動いてくれるのでフィット感が非常に良い
- 音質のバランスも良い。
- SpinFit CP360
- おすすめ度: 5
- 少し奥までフィットしてくれ、また軸が動いてくれるのでフィット感が非常に良い
- CP1025同様、音質のバランスも良い。
- final TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様
- おすすめ度: 4
- 浅めのフィット感で、ピタッと密着してくれるので密閉度が高い、密着感が苦手でなければおすすめ!
- 低音が良く出てくれる印象
- AZLA SednaEarfit Crystal for TWS
- おすすめ度: 3
- かゆくなりにくくフィット感良し、つけ心地優先であればおすすめ!
- 低音が薄めになるのとノイキャンの効果が若干弱まる印象
どういう人におすすめか
最後にAH-C830NCWがどういう人におすすめかですが、ずばり
- お手軽に高機能・高音質のイヤホンが欲しい人
な人におすすめですね。
AH-C830NCWは、音声コーデックがAAC、SBCにも関わらず、高音質で音楽を楽しめる仕様になっていますので、「LDACやらaptXなんちゃらとかよくわからん!」という方でも気軽に良い音で音楽を楽しむことができます。
また、ノイキャン・外音取込機能も優秀なので、「ノイキャンを使って音楽に没入するもよし」「外音取込で便利に会話するのもよし」と死角がありません。
それなのに価格は2万円を切っているので、まさに「お手軽に高機能・高音質のイヤホンが欲しい人」におすすめです。
高機能、高性能な完全ワイヤレスイヤホンは25,000円は超えてくるものが多いので、そんな中2万円切っているのはコストパフォーマンスに優れていると言えます。
「あんまり高いイヤホンはなぁ」と思っている方で、ちょっとでも高音質で音楽を楽しみたい方はぜひ検討してみてください。
AH-C830NCWギャラリー
AH-C830NCWの写真をいくつか撮ってみたので雰囲気が伝われば嬉しいです。
以上、満を持して発売されたDENONさん初の完全ワイヤレスイヤホン「AH-C830NCW」を使ってみた感想をお届けしました。
片側約5.0g(実測)とめちゃくちゃ軽量ながら、ノイキャンや外音取込機能も優秀で「音楽をじっくりと聴いていたくなる完全ワイヤレスイヤホン」な仕上がりになっています。
AH-C830NCWを買おうか迷っている方、DENONさんのイヤホンって実際どうなの?と気になる方の参考になれば幸いです。