今回は、なんとか発売日に手に入れることができたSONYさんの新型完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を使ってみた感想を解説します。
ノイキャンや外音取り込みの強化、音質も向上し、さらに高機能と全部盛りなイヤホンだけど実際どうなの?というところを以下の流れで解説します。
- WF-1000XM4の特徴でおすすめポイント
- 良いところ
- 気になるところ
- TIPS
結論としては、「少しでも気になってたら買い」と言えるくらいに完成度が高く、10種類以上のいろんなタイプのイヤホンを使ってきてますが買ってよかったと思える逸品に仕上がっています。
「けっこう値段するけど買う価値あるのかと気になる方」や「WF-1000XM4を買おうか迷っている方」の参考になれば幸いです。
また、筆者の音質の好みは「音質へのこだわり具合」に記載しておきますので、音質面で気になる方はご参考ください。
目次
WF-1000XM4の特徴でおすすめポイント
まず、WF-1000XM4の特徴の中から他の完全ワイヤレスイヤホンと比べたときに、個人的におすすめポイントとして挙げられるところを紹介します。
- ノイキャンと外音取り込みの強化
- DSEE ExtremeとLDAC
- ケースがコンパクト
順番に解説します。
ノイキャンと外音取り込みの強化
ノイキャン対応の完全ワイヤレスイヤホンをいくつか使ってきましたが、WF-1000XM4のノイキャンはかなり自然かつ強力にノイズを軽減してくれる部類です。
もちろん全くの無音になるわけではありませんが、音楽を流していれば気にならないレベルまでノイズを軽減してくれます。
ノイキャンの効きが良いおかげで、音楽を再生するときのボリュームを小さくできて耳にも優しいイヤホンになっています。
外音取り込みについても「サー」というホワイトノイズもかなり少なめで、外の音も聞き取りやすく取り込みレベルも20段階で選べます。
ただ、どちらかというと「ボイスフォーカス」がけっこう肝で、こちらをオンにしておくとかなりスムーズに会話ができます。
今までは、「Jabra Elite 85t」のノイキャンと外音取り込みが自然かつ強力で好きだったのですが、同クラスかそれ以上と感じています。
DSEE ExtremeとLDAC
SONYさんのオーディオ機器へのこだわりは個人的に本当に好きで、機能性も重要ですがイヤホンはやはり音質という感じが伝わってくるのが非常に好印象ですね。
DSEE Extremeで圧縮音源も高音質で楽しめるというのは、最近のYouTubeやSpotifyで音楽を聴くという「日常の生活の質をちょっと良くしてくれる」感じでとても良いと思います。
さらにこだわる人向けには、BluetoothのLDACに対応することでハイレゾ級の音質でも音楽を楽しめるという二段構造ですね。
あまり音質にこだわりが無くても「あ、このイヤホン良いかも」と思わせる仕組みがあるので、いろんな人におすすめしやすいイヤホンです。
ケースがコンパクト
前モデルのWF-1000XM3と比較したときはもちろんのことですが、WF-1000XM4はケースがかなりコンパクトで軽くなっています。
ノイキャン・外音取り込み付きの完全ワイヤレスイヤホンでもコンパクトな方の「Jabra Elite 85t」とめちゃくちゃコンパクトで持ち運びやすい「NUARL N6 mini」と比較すると写真のような感じです。
今まで、音質が良いノイキャン対応の完全ワイヤレスイヤホンは、ケースも大きめになる印象(例: NUARL N10 Pro/Plus、RHA TrueControl ANCなど)でしたので、これだけコンパクトに高音質を持ち運べるのはWF-1000XM4ならではではないでしょうか。
WF-1000XM4ギャラリー
WF-1000XM4の写真をいくつか撮ってみたので雰囲気が伝われば幸いです。
良いところ
先の特徴でも良いところを紹介しましたが、さらに個人的にWF-1000XM4のここが良いと思うところを紹介します。
- 音質
- つけ心地
- タッチ操作がしやすい
順番に解説していきます。
音質
音質については、どういう音の傾向が好きか、という好みの問題が非常に大きいところではありますが、3万円超えのイヤホンということもあり音はめちゃくちゃ良いです。
自分が音楽を聴く環境では、スマホがGoogle Pixel5なのでBluetooth接続にLDACを選択できることもあり、LDAC + DSEE ExtremeというWF-1000XM4の機能が最大限活かせている状態なことも大きいかと思います。(他の方のレビューを見ている限り、iPhoneで使ってもAAC + DSEE Extremeで十分に音は良いそうですが)
そのため、高音質な有線イヤホンで聴いてる感覚と遜色ない印象です😃
つけ心地
WF-1000XM4は、イヤホン本体の重量バランスが絶妙に良いです。
前モデルのWF-1000XM3は「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」を採用とはあるものの、自分の耳型の場合は耳の中で支えている状態になってしまって、長時間つけているとどうしても耳が痛くなりがちでした。
それに比べ、WF-1000XM4は耳全体で支えるような構造に変わったため、耳の一部だけに負荷がかかるような感触ではなくなりました。
また、イヤホン本体がつや消し素材なので、うまく耳に引っかかってくれているのも大きいんじゃないかと推測しています。
タッチ操作がしやすい
WF-1000XM4は、イヤホンの外側ほぼ全面でタッチ操作できるようになったので、かなりタッチ操作がやりやすくなりました。
イヤホンによっては、タッチできるエリアが狭くてなかなか狙ったタッチ操作をできないものもありますが、全面でタッチできるのでご操作がかなり少ない印象です。
また、タッチしたときに(めちゃくちゃ小さい音ですが)「ポッ」という音が鳴ってくれるので、きちんとタッチが反応したかわかりやすくなっているのも助かります。
気になるところ
良いところが多すぎるなかで、粗探し的に気になるところを洗い出してみました。
人によっては気にならない部分もあるかと思いますが、納得した上で選んでもらうのが良いかと思いますので、しっかり解説します。
- Bluetoothマルチポイント非対応
- タッチ操作の割当が微妙
- イヤーピースが水洗いできない
- WindowsPCでの通話品質はそこそこ
- 左と右で別々の端末につながることがある
順番に解説します。
Bluetoothマルチポイント非対応
WF-1000XM4は、最近の完全ワイヤレスイヤホンで採用され始めている、Bluetoothマルチポイントには対応していません。
Bluetoothマルチポイント機能は、スマホとPCに同時接続ができて、普段PCで音楽を聴きながら作業しているときにスマホに電話がかかってきても、イヤホンそのままで電話を受けられるというような機能です。
正直これは本当に残念でして、シンプルに対応しておいて欲しかった機能です。。。😣
ヘッドホンのWH-1000XM4には搭載されているので、周りも対応してきてるから今回は対応かなーと思っていただけに、残念でなりませんね。
同時接続できないもののBluetoothマルチペアリングには対応していて、デバイスの切り替えは非常にラクなのでまだマシです。
既にペアリングしているPCやスマホであれば、つなぎ変えたい方の端末のBluetooth設定で「WF-1000XM4に接続する」という操作をするだけで簡単に切り替えができます。
切り替え前の端末で切断操作をしなくていいのが良いですね。
タッチ操作の割当が微妙
自分の場合は困らないのですが、イヤホン本体のタッチ操作のカスタマイズはあまり自由にはできない仕様です。
割り当てられる操作の種類が以下のグループ単位でしかできないため、どれか1つを諦める形になります。
- 外音コントロール
- 再生コントロール
- 音量コントロール
- 割当なし
タッチ操作(1回、2回、3回、長押し)をそれぞれ個別に設定できるイヤホンが増えてきているなか、このグループ単位というのは気になる人は気になると思いますので、注意が必要です。
ただ、自分の場合は、左を外音コントロール、右を再生コントロールにしていて、他のカスタマイズできる完全ワイヤレスイヤホンもこの設定に合わせています。
というのも、音量については一度音楽を聴き始めて調整してしまえばそこまで音量を頻繁に変えることがないため、音量コントロールはスマホでもいいかなと思っている派です。(スマホの音量ボタンをスボンのポケットの中でカチカチ押すだけなので)
イヤーピースが水洗いできない
WF-1000XM4に付属する「ノイズアイソレーションイヤーピース」は、遮音性もつけ心地も良いイヤーピースなのですが、公式に「水洗いを避け」と書かれていて、さらに「アルコール等は使用しないでください」という注意文言まであるので、清潔に保つのが難しそうな印象です。
ランニングなどで耳にも汗が流れたりすることもあると思うので、ここまでイヤーピースの手入れがシビアなのはなかなか取り扱いが難しいですね。
「ウレタン素材のイヤーピースは消耗品」と割り切りもありですが、汚れが気になる方は別のイヤーピースを使う方が良いかもしれません。
記事の後半に取り付けてみたイヤーピースを紹介してますので、ご参考ください。
WindowsPCでの通話品質はそこそこ
毎度イヤホンを購入するたびに友人に協力いただき通話品質を確認していますが、WF-1000XM4はWindowsのPCで使う分には「ワイヤレスイヤホンで話しているな」というのがわかる印象のようです。(あまり高音質ではない)
ZoomとSlackを使って会話させてもらったところ、「1回で聞き取ってもらえないかもしれない」感じが拭えないようで、特に重要な会議で使うかどうかは慎重に判断した方が良いかもしれません。
「Jabra Elite 85t」は有線級と言われているので、会議メインの用途でイヤホンを検討している人は比較検討してみてください。
左と右で別々の端末につながることがある
マルチペアリングで、PCとスマホを接続して使っているのですが、時々ケースから取り出した時に左右で別の端末につながることがあります。(おそらくファームウェアのアップデートで改善されるとは思いますが)
一度ケースに閉まってもう一度出すと解消するので、致命的な問題にはなっていませんが急ぎで使うときは注意が必要ですね。
TIPS
最後にちょっとしたTIPSを紹介します。
- スピーク・トゥ・チャットの精度について
- イヤーピースの選択肢が多い
スピーク・トゥ・チャットの精度について
WF-1000XM4には、自分が声を発すると自動で音楽を停止し、ノイズキャンセリングから外音取り込みに切り替わって、一定時間が立つとまたノイズキャンセリングに戻って音楽を再生してくれる便利な「スピーク・トゥ・チャット」機能があります。
自分が声を発したときの「声の検出感度」はアプリで設定できるようになっているのですが、これがなかなか調整が難しいかもしれません。
デフォルトの「自動」にしていると自分の咳払いで反応してしまったり、「低感度」にすると話しかけても反応してくれなかったりします。
正常に動作してくれているときはめちゃくちゃ便利に感じているので、今後のアップデートに期待しているところです。
イヤーピースの選択肢が多い
WF-1000XM4は、イヤーピースの取り付け部分も一般的な形状をしているため、イヤーピースの選択肢はかなり多い方な印象です。
ざっと付けてみて音を聴いてみたイヤーピースは以下です。(おすすめ度は5段階)
- SONY ノイズアイソレーションイヤーピース(純正)
- おすすめ度: 4
- フィット感良し、音良し、ノイキャン強し、サイズが少し大きめな印象。(個人的にフォームタイプが苦手)
- final TYPE E
- おすすめ度: 5
- 今のところコレが一番お気に入り、耳全体にうまくフィットしてくれて音域もバランス良し、ノイキャンも強し。
- final TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様
- おすすめ度: 4
- 浅めにフィットしてくれて音域もバランス良し、ノイキャンも強し。(ただ浅すぎて耳が痛くなる可能性もあり)
- AZLA SednaEarfit Light Short
- おすすめ度: 3
- フィット感は良いが、軸がほんの少し長めかも。少し低音を柔らかめにしてくれる印象。
- AZLA SednaEarfit Short
- おすすめ度: 3
- フィット感は良いが、軸がほんの少し長めかも。音をハッキリ目にしてくれる印象。
- AZLA SednaEarfit Crystal for TWS
- おすすめ度: 0
- イヤーピース側の軸が短すぎてフィットしない、試すなら通常版の方が良さそう。
- AZLA SednaEarfit XELASTEC
- おすすめ度: 2
- フィット感は良いものの、低音が弱くなるのと他のものより騒音が耳に入りやすい。
- SpinFit CP360
- おすすめ度: 4
- フィット感は良いが、少し低音が弱くなる感じとノイキャンが少し弱くなるかも。
- SpinFit CP1025 AirPodsPro専用
- おすすめ度: 3
- フィット感は良いが、イヤーピース側の軸が短すぎるので、通常版だとおすすめ度4かも。
- NUARL Block Ear+
- おすすめ度: 4
- 少し浅めにフィットしてくれて感触も良く、低音に迫力が増す印象。
以上、SONYさんの新型完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を使ってみた感想の解説でした。
まだまだ発売直後なため品薄状態が続いていて手に入りづらいかもしれませんが、そういうときこそいろんな方のレビューを参考にしながらじっくり検討いただけたらと思います。
なかなかの高価格でありながら多少気になるところもありますが、今後のファームウェアアップデートで改善されることを期待しているところです。
音質やつけ心地、操作性も含めた総合力で、今のところ手元のイヤホンでは一番お気に入りになりましたので、長く使っていきたいなと思っています😄
「けっこう値段するけど買う価値あるのかと気になる方」や「WF-1000XM4を買おうか迷っている方」の参考になれば幸いです。
おまけ:音質へのこだわり具合
筆者の音質に対する感度はどれくらいか解説します。(過去記事でも記載していたものを再掲しています。)
音質に関わる普段使っているアイテムは以下のような感じです。
- PCやスマホに入れている音源はFLAC
- ウォークマンはSONY NW-ZX100を使用していた(手放してしまいました)
- 有線イヤホンはShure SE535 Special Edition(7年以上)、NUARL NX1を愛用
- スピーカーはFostex GX103を5年以上愛用
- DAC兼アンプはSONY UDA-1を使用
イヤモニ(インイヤーモニター)を使うほどではありませんが、映像や音にこだわっていた時期があったため普通の人より多少は音質に敏感な方だと思います。
できればスマホに標準で付いているイヤホンは使いたくない派です。